STROKE CENTER
脳卒中センター
脳卒中センターについて
1983年の開院以来、脳卒中診療を提供してきた当院脳神経外科では、救急搬送、入院から治療、リハビリテーション、退院後のケアまでの流れを見直し、体制を強化した脳卒中センターを2021年10月に開設いたしました。
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脳卒中センターホットライン
脳卒中診療では診断から治療までのスピードが極めて重要です。当センターでは365日24時間体制で専門の脳神経外科医師がホットラインで救急の連絡を受けており、救急車の現場到着から搬送までの時間短縮を行っています。
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脳卒中スクランブル体制
受け入れから検査までの流れを速やかに確保する独自のシステムで病院到着から治療開始までの時間短縮を行っています。少しでも疑わしい場合は検査準備や救急部、カテーテル室、手術室、ICU等の関連する部署が病院到着前より受け入れ体制を整えて待機します。
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速やかな治療
一秒でも早い治療開始が望ましい脳卒中では、救急部での投薬加療はもちろんのこと、手術が必要な場合も手術室やカテーテル室にて直ちに治療を開始します。24時間絶えず高度な治療を最速で提供できることが当センターの最大の強みです。
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専門性の高い入院加療
脳卒中の加療は手術だけではありません。入院中は専門知識をもったチームによ る急性期の治療を行います。当院ではICUと脳神経外科病練に加えて、脳卒中ケアユニット(SCU)を設置しています。
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退院までをサポートする
リハビリテーション急性期の治療を終えても、すぐには退院できない症状が残ってしまうことは少なくありません。そんな場合にも、当院内で回復期リハビリテーションまで行うことができます。長年脳卒中の患者さんを担当してきたチームが手厚いサポートを提供します。
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退院後の外来通院
治療やリハビリテーションを終えた退院後も脳卒中との付き合いは終わりません。後遺症の相談、再発の予防などさまざまなサポートが必要となります。安心して暮らしていただけるよう、近隣の信頼できるクリニックの先生とも連携し、必要な検査や治療をご提案します。
脳卒中ケアユニット
(SCU)について
SCU(Stroke Care Unit)は、脳卒中を起こして間もない時期の、急性期治療を目的とした専門の病棟です。
当院では、厚生労働大臣が定める施設基準に準拠したSCU12床を運用しています。
脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の三つのタイプからなり、いずれも致死的な経過をたどったり、
あるいは重篤な後遺症で病後の生活に支障をきたす可能性が非常に高い疾患です。
SCUは、脳卒中の予後の改善を目的とし、多職種からなる専門チームで治療に当たります。
脳卒中専門医、看護師、リハビリテーションスタッフ(理学療法士、作業療法士、言語療法士)、
薬剤師、検査技師、管理栄養士など院内教育を受けたメンバーが揃っています。
SCUで治療することにより、死亡率および再発率の減少、在院期間の短縮、自宅退院率の増加、
長期的な日常生活動作(ADL)と質(QOL:Quality of life)の改善がはかれるとされています。
さらなる専門診療のために
千葉県北西部最大規模の脳卒中センターである当院では、脳卒中で緊急入院される患者さんの診療を、年間約600件行っております。
ある日突然、日常生活が奪われる脳卒中の診療では、救急部での迅速で確実な治療や急性期の薬物治療・リハビリテーションだけではなく、その後の生活面や精神面でのケアも非常に重要です。
一人ひとりのことを考えた最適な治療の提供を私たちの使命とし、特別チームの編成と12床の脳卒中集中治療室(SCU)を開設しました。私たちが蓄積してきた経験・知見・技術を凝縮し、脳卒中を専門とするスタッフを揃えて昼夜問わずフル稼働します。
地域の皆さんに安心して暮らしていただけるように、名戸ヶ谷病院脳卒中センターは今後も全力を尽くして参ります。
脳卒中ケアユニット(SCU)の
施設基準
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脳神経外科または神経内科の
経験が5年以上ある専任の
常勤医師が常時1名 -
看護師が常時3対1以上
(患者3人に対し看護師1人) -
専用の治療室がある
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必要な装置および
医療器具を常時備えている -
リハビリテーションの経験がある
専任の理学療法士または
作業療法士が1名以上 -
CT、MRI、脳血管造影などの
撮影・診断が常時可能 -
入院患者の8割以上が
脳卒中患者である
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私たちが実現したいこと
地域へのさらなる貢献のためチームで前進していく
地域医療に貢献するため、当脳卒中センターは体制を強化して参りました。いかなる状況でも急患を断らない脳卒中ホットライン、24時間いつでも最速の治療を可能とするスクランブル体制、急性期に患者さん個々に最適な治療を提供するSCU、じっくりと回復期のトレーニングをするリハビリテーション病棟、退院後に地元のかかりつけ医との連携をサポートする地域連携室。全ての部署が1つのチームとして連動するこの脳卒中センターを、患者さんや医療機関、救急隊に最良の選択と捉えてもらい、もっと利用していただけるよう、地域社会との繋がりをさらに深めて参ります。
誰もが最良の治療を受けられる地域を目指して
当脳卒中センターでは、顕微鏡、内視鏡、カテーテル、どの術式であろうと、どんなに難しい手術であろうと、常に緊急で対応することができます。この私たちが誇る技術と哲学、そしてチームワークを、次世代を担う国内外の医療人に発信し教育していくことも自分たちの使命だと考えています。地方では治療ができない、治療が遅れる……脳卒中はそんなことがあってはならない病気です。ところが、いつでも最速で最良の治療が受けられるという地域は、世界中を探してもまだまだ珍しいのが現実です。そんな当たり前のことがこの地域で当たり前になる日が来るまで、私たちの挑戦は続きます。