三叉神経痛・
片側顔面痙攣(さんさしんけいつう・
へんそくがんめんけいれん)
疾患症状について
三叉神経痛は、片側の顔面に激しい痛みを引き起こします。片側顔面痙攣は、片側の顔面がピクピク痙攣してしまう病気です。ともに脳の深部にある神経が血管などに圧迫されて異常反応をして生じるとされています。これらの症状で命を落とすことはありませんが、顔の強い痛みやピクつきで精神的にストレスが多く、治療を行う患者さんが多いです。
検査・診断
造影剤や放射線を使わないMRIで神経や血管の走行を確認し、症状の内容や発症からの経過を加味して診断します。
治療法(手術)
三叉神経痛は飲み薬で改善するものが多いです。この飲み薬で改善する患者さんは手術で改善する見込みも高く、薬の副作用が出てしまった場合や薬だけでは辛い痛みが残ってしまう場合に手術をお勧めします。
片側顔面痙攣はボトックスというボツリヌス毒素を注射することで症状を和らげることができることが多いです。一方でこの注射は数ヶ月ごとに繰り返す必要があり、ご高齢の患者さん以外は長期間に及ぶため、相談のうえ手術を行うことがあります。
手術は微小血管減圧術と呼ばれます。細かい血管などが神経を圧迫していることが原因なので、それを丹念に剥がして、圧迫することがないように固定するというものです。丁寧な操作が必要ですがそれほど難しい手術ではないため、日常生活に困っている場合は積極的にお勧めしています。三叉神経痛、片側顔面痙攣ともに90%前後の患者さんで効果があるとされています。
経過
手術の前日に入院し、術後は創部が綺麗に治ってくるのを確認するため1週間程度の入院となりますが、ご希望があれば数日で退院して外来にて処置をすることも可能です。術直後に症状が完全に消失する患者さんもいますが、1ヶ月ほどかけて徐々に改善してくることもあります。